いろは坂を上りきった先、中禅寺湖畔の森のなかに建つホテルです。日本最古のリゾートホテルとして知られる日光金谷ホテルの系列で、こちらは丸太を積んだログハウス調の外観。標高1,200mを超える奥日光にあるので、泊まった3月中旬でも敷地にはまだ雪が残っていました。源泉かけ流しの硫黄泉と、金谷伝統のフランス料理が目当ての一泊です。

アクセス — 東武日光駅からの無料送迎が効く
今回利用したのは、池袋〜東武日光の往復と1泊2食がセットになったプラン。東武日光駅からホテルまでは無料送迎があります。路線バスだと片道1,500円かかる区間なので、往復で3,000円が浮く計算になり、これがかなりありがたいところでした。奥日光は日光市街からいろは坂を上る立地なので、車で向かう場合は冬季の路面状況を確認して、冬用タイヤなどの備えをしてから向かうのが安心です。
部屋 — クラシックな設えのツイン
泊まったのはツインの洋室。バルコニーに面した掃き出し窓にレースのカーテンが下がり、花柄の張り地のアームチェアと木の家具が置かれた、クラシックな雰囲気の部屋です。最新のデザインホテルのような真新しさではなく、金谷ホテルらしい落ち着いた古典的な設えでした。

風呂 — 循環なしの源泉かけ流し。お湯がとにかく良い
お風呂は日光中禅寺温泉の硫黄泉(硫化水素型)で、内湯・外湯とも循環しない源泉かけ流し。この宿でいちばん良かったのがこのお湯でした。
利用時間は夜が24時まで、朝は5:30〜9:30。ひとつ注意点として、脱衣所に鍵付きのロッカーがありません。貴重品はフロント前の貸金庫などに預けてから向かう必要があるので、部屋を出る前に持ち物を整理しておくとスムーズです。
なお館内の服装は、浴衣とスリッパではレストランに入れません。温泉へ行くときは浴衣・スリッパで問題なく、ラウンジも実際には大丈夫そうな雰囲気でしたが、食事のときは着替えていくものと考えておくと安心です。
宿泊者専用ラウンジ — コーヒー・紅茶が自由に
館内には宿泊者だけが使えるラウンジがあります。木の壁と大きな窓に囲まれた部屋で、コーヒーと紅茶が用意されていて自由に飲めます(1日目は22時まで利用可能)。窓の外は葉を落とした木立。紅葉の時期はさぞきれいだろうと思いつつ、冬枯れの静かな森を眺めるのもこの季節ならではでした。椅子の張り地が落ち葉の模様なのも、森のホテルらしいところです。

夕食 — 「本日のディナー」か「トラウトディナー」か
夕食はダイニングでフランス料理のコース。「本日のディナー」と「トラウトディナー」から選べます。トラウトディナーには鱒丼が付くとのことで最後まで迷いましたが、今回は「本日のディナー」を選びました。
この日の内容はこちら。
- 本日のオードブル
- 季節のポタージュ(+700円でコンソメスープに変更可)
- 鰆のポワレ 春キャベツのブレゼ 蛤のバターソースに磯の香りを加えて
- 「那須野ヶ原牛」フィレ肉のロースト レホールとグレービーの2種のソース 葉玉ねぎのロティーと焼きタケノコを添えて(+3,000円で「とちぎ和牛"匠"」フィレ肉に変更可)
- 本日のデザート
- コーヒー又は紅茶
- パン
メインは那須野ヶ原牛のフィレ肉のロースト。ローズ色に火が入った断面に、レホール(西洋わさび)とグレービーの2種のソース、葉玉ねぎのロティーと焼きタケノコが添えられた一皿です。金彩の縁取りの皿に赤いショープレートという器づかいにも、クラシックホテルらしい格式がありました。

全般的においしく、プラス料金のグレードアップを選ばなくても十分満足できる内容でした。パンはおかわりできるものの、2回目はなかなか出てこなかったのが少し惜しいところ。
もうひとつ、飲み物は全体に高めです。売店で900円前後で売っているクラフトビールが、レストランでは瓶とグラスで1,500円。ワインも1,500円以上からで、なかなかの価格帯でした。飲みたいものがはっきりしている人は、あらかじめ予算を見ておくといいかもしれません。
デザートはチョコレートのケーキを中心に、いちご(赤と白の2種)、ドラゴンフルーツ、パイナップル、金柑と果物をたっぷり添えた盛り合わせ。銀の粒をあしらったクリームと、皿に描かれたベリーソースの曲線まで含めて、最後まできれいに仕立てられていました。

朝食 — プレーンオムレツの洋朝食
朝食は洋食。きれいな紡錘形に焼かれたプレーンオムレツに、ベーコンと蒸したじゃがいもが添えられた一皿です。皿には金谷ホテルの「N.K.H」の紋章が入っていて、こういうところにクラシックホテルの積み重ねが出ます。飾らないオムレツですが、表面がなめらかに焼けていて気持ちのいい一皿でした。

朝食も追加メニューが充実していて、季節のポタージュが+800円、厳選フレッシュいちごが+900円といった具合。ただ、デザートに当たるメニューが特にないので、いちごまでプラス料金なのは少し寂しいと感じました。
まとめ — こんな人におすすめ
奥日光まで足を延ばして、湖畔の森で静かに過ごしたい人に向いた宿です。何よりお湯が良く、循環なしの源泉かけ流しをゆっくり楽しめるのが一番の魅力。館内で完結する滞在なので、日光の社寺めぐりで動きまわった翌日にこもるような使い方が気持ちよく、クラシックホテルの雰囲気とフランス料理をあわせて味わえます。
東武日光駅からの無料送迎があるので、車がなくても行きやすいのもこの宿の強み。往復乗車券とセットのプランを使えば移動も含めて段取りよく組めます。車で向かう場合は、いろは坂を上る道のりになるので冬季の備えを忘れずに。脱衣所に鍵付きロッカーがないことと、レストランは浴衣・スリッパ不可という2点だけ、事前に知っておくと当日あわてずに済みます。