雪の舞う1月の伊香保で、ホテル天坊に泊まりました。客室数の多い、いわゆる「大箱」の温泉ホテルです。正直なところ大型ホテルの温泉にはあまり期待していなかったのですが、ここは風呂が広いだけでなく湯そのものがかなり良く、伊香保名物の黄金の湯と白銀の湯を一度に入り比べられました。良かったところも物足りなかったところも、そのままレポートします。

チェックインまで
場所は伊香保温泉の入口寄りで、関越道の渋川伊香保ICから車で約20分。冬は伊香保に上がる坂道が凍結することがあるので、1月に行くならスタッドレスなど冬装備は必須です。
駐車場は無料で、玄関前を含めて約500台分。大箱ホテルのいいところで、ドライブ旅でも駐車の心配はまったく要りません。

部屋
泊まったのはスタンダードな和室。座卓の奥に窓際のソファスペースがあり、広さは十分です。大型ホテルらしく設えは豪華というより実用的ですが、掃除は行き届いていて過ごしやすい部屋でした。

この日は夕方から雪。窓の外がみるみる白くなっていく雪見の滞在になりました。
館内は浴衣とサンダルでどこでも歩ける気楽さがあります。ただ冬に泊まるなら覚悟しておきたいのが寒さで、廊下や共有スペースはかなり冷え、部屋も玄関・トイレ・洗面所まわりはひんやりします。羽織りものを持って、風呂で温まる前提で動くのが冬の天坊の過ごし方です。

風呂 — 黄金の湯と白銀の湯
この宿の主役は間違いなく風呂です。伊香保には鉄分で茶褐色に色づく「黄金の湯」と、無色透明の「白銀の湯」の2つの源泉がありますが、天坊は館内でその両方に入れます。風呂は地下の岩風呂と3階の大浴場の2カ所という贅沢な構成です。
地下の岩風呂は三波石を600トン組んだという大箱ホテルらしいスケールで、男女交代制。内風呂に2種類の湯があり、片方はかなり広めの湯船でゆったり浸かれます。露天は意外とこじんまりした造りで、冬は洗い場が結構寒いのが正直なところ。一方の3階の大浴場もかなり広く、いろいろな湯船を回れます。
そして肝心の湯が、かなり良い。大型ホテルだと湯は二の次という宿も少なくないなかで、ここは色づいた黄金の湯にしっかり温泉らしさを感じられました。広さと湯質が両立していて、2カ所の風呂を交代制で楽しめる——風呂だけでこの宿を選ぶ価値があると思います。
食事 — コロナ禍の配膳式
私たちが泊まった2021年1月はコロナ禍のさなかで、通常はビュッフェのところ、夕朝食ともダイニングルーム「アスティア」での配膳式になっていました。

正直に書くと、食事は少し物足りない印象でした。品数はそろっているものの、風呂の満足度と比べるとどうしても見劣りします。もともとビュッフェ形式が売りの宿なので、通常営業に戻った今は印象が変わる可能性はありますが、料理を最優先に宿を選ぶ人には向かないかもしれません。

石段街へ
伊香保観光の中心・石段街へは、宿から歩くと20分ほど。上り坂なので、ホテル前のバス停からタウンバス(片道200円・10分弱)を使うか、チェックイン前後に車で立ち寄るのが楽です。石段街を含めた渋川・伊香保の立ち寄りスポットは渋川グルメ周回ドライブルートにまとめています。
まとめ — こんな人におすすめ
湯を目当てに伊香保へ行く人、そして大箱ホテルの気楽さ(駐車場の心配がない・館内が広い・予約が取りやすい)を求める人に向いた宿です。黄金の湯と白銀の湯を広い湯船で入り比べられる大浴場は期待以上でした。一方で、食事に重きを置くならほかの選択肢も検討したほうがいいというのが正直な感想です。風呂上がりに部屋で雪見をしながらのんびりする——そんな冬の伊香保の過ごし方には、ちょうどいい宿だと思います。