別府・鉄輪温泉の「サリーガーデンの宿 湯治 柳屋」には、2024年7月・11月、2025年7月と3回泊まっています。当サイトでここまでリピートしている宿は数えるほど。明治から続く湯治宿を現代的にリノベーションした宿で、湯けむりの上がる鉄輪の路地に柳と大きな暖簾が映えます。ちなみにこの暖簾、11月は海老茶色、7月は青と、季節で色が変わるのもリピーターの小さな楽しみです。なぜ3回も通うのか——答えはシンプルで、「地獄蒸しの自炊」と「せいろ蒸しの朝食」と「べっぴんの湯」が揃った滞在が、他のどの温泉宿とも違う楽しさだからです。


部屋 — 本館の和室4.5畳と、別館「ネスト」。3回泊まって分かった選び方
1回目は本館・湯治部の和室4.5畳に2人で宿泊しました。正直、部屋でくつろぐ広さではなく、洗面所とトイレも共有です。ただ柳屋には談話室やカフェスペースなど共有スペースがたくさんあり、部屋は寝る場所と割り切れば快適に過ごせます。湯治宿らしい過ごし方を味わうなら、これはこれであり。

2回目・3回目は別館の「ネスト」という部屋タイプにしました。こちらはベッドとソファのあるゆったりした造りで、雰囲気は湯治宿というより和モダンなアパートメント。小さな流しが付いているので、地獄蒸しの下ごしらえをある程度部屋でできるのが自炊派にはうれしいポイントです。


面白いのは、同じネストでも部屋ごとに間取りがまったく違うこと。リピートするたびに新鮮さがあります。なおチェックアウトは本館が10時、別館は11時。朝風呂と朝食をゆっくり楽しむなら別館が有利です。
柳屋にはこのほかに、ベッドとバス・トイレを備えたホテルライクな「新館・旅館部」、内湯付きの「離れ」(1〜4名のクリエール、キッチン付き2階建てを一棟貸し切りにできる1〜6名の七草)もあります。用途で使い分けるなら——費用を抑えて湯治気分を味わうなら本館、自炊派の2人旅ならネスト、快適さ重視なら新館、子連れやグループ・長期滞在なら離れ、というイメージです(本館・新館・ネストは子ども不可、離れは子連れOK)。
地獄釜 — この宿の主役。蒸気の上がる釜で自炊する
柳屋の中庭には、温泉の蒸気が絶えず噴き上がる「地獄釜」が並んでいます。ここで食材を蒸して食べるのが柳屋の醍醐味。鉄輪名物の地獄蒸しを、観光施設の行列に並ばず、宿泊者専用の釜で好きな時間に楽しめます。


初回は事前にお願いして「地獄蒸しセット」(別料金)を用意してもらいました。海鮮と野菜が籠に盛られて届き、釜に入れて待つだけ。初めてならまずこれで流れをつかむのがおすすめです。

2回目からは近くのスーパーで買い出しをして自炊しています。海鮮、肉まん、とうもろこし——蒸してうまいものを籠に詰めて釜へ。スーパーによっては簡易的な地獄蒸しセットが売られていることもあり、お腹の具合で量を調整できるのが買い出し派の強みです。お米も蒸せて、これがふっくら炊けて美味しい。


自炊室は広く、食器も調理器具も貸してもらえます。釜の横には食材ごとの蒸し時間の目安表があるので、初めてでも迷いません。
なお自炊をしない日の選択肢として、柳屋には地獄蒸しの釜を使ったイタリアンレストラン「オット・エ・セッテ オオイタ」が併設されています。私はまだ利用できていないのですが、温泉の蒸気で仕上げるイタリアンは気になる存在。予約制のようなので、次回はランチかディナーを予約して行きたいと思っています。

朝食 — せいろ蒸しが名物。飲茶・洋風・和風のローテーション
朝食は名物のせいろ蒸し。頼んでおくと、飲茶・洋風・和風のいずれかのせいろが用意されます(内容はローテーション)。コンパクトながら蒸したての温かさがごちそうで、毎回これを楽しみに泊まっています。朝も自炊はできますが、今のところ毎回朝食を付けています。


温泉 — メタケイ酸たっぷりの「べっぴんの湯」
大浴場は自家源泉かけ流しで、男女入れ替え制。1階は内湯のみ、2階は内湯に加えて露天とスチームサウナがあり、どちらに当たるかも含めて楽しめます。泉質はナトリウム-塩化物泉で、メタケイ酸が477.7mgと豊富。とろりとやわらかい肌ざわりで、湯上がりはしっとりします。浴場の写真はありませんが、満足度は3回とも変わらず高いです。
リピート特典 — 通うほどお得になる仕組み
柳屋にはリピーターがうれしい仕組みがそろっています(いずれも宿泊時の情報です。最新の内容は公式サイトでご確認ください)。

- ご宿泊割引券: チェックアウト時にもらえて、次回の宿泊で使えます。リピートの背中を押してくれる特典
- ことぶきアワー: 16時までにチェックインすると、斜め前のスーパー「ことぶき屋」で好きなドリンクやアイスと引き換えられる券がもらえます
- おみやげ券: 公式サイト予約の特典。カフェ「アルテノイエ」のシフォンケーキと引き換えられます
- 連泊割: 連泊するほど安くなるプランもあり、湯治スタイルの長期滞在にも向いています

鉄輪の街 — 湯けむりの路地を歩く
柳屋の魅力の半分は、鉄輪という街そのものです。湯けむりの上がる石畳の坂道、地獄めぐり、共同湯。夜は静かな路地の散歩、朝は湯けむり越しの朝焼けと、時間帯ごとに表情が変わります。

アクセス
鉄輪温泉の中心部、いでゆ坂近くの路地にあります。チェックインは14時〜18時(18時以降の到着は不可)、チェックアウトは本館10時・別館11時。予約は公式サイトからの直販が基本で、楽天トラベルやじゃらんといった宿泊予約サイトには現在掲載がありません。公式サイト予約はおみやげ券などの特典もあるので、そのまま公式サイトで予約するのがおすすめです。
まとめ — こんな人におすすめ
「泊まる」より「暮らすように滞在する」が好きな人に、これ以上ない宿です。地獄蒸しの自炊は毎回発見があり、買い出しから蒸し上がりまでの時間そのものが旅のイベントになります。せいろ蒸しの朝食とべっぴんの湯で、体は軽く、財布にもやさしい。1回目はお試しで本館+地獄蒸しセット、2回目からはネスト+買い出し自炊——というのが、3回通った私のおすすめルートです。別府・湯布院方面のドライブ旅の拠点にもどうぞ。