夜の便で北九州空港に降りて、空港そばのホテルで一泊。朝レンタカーを借りて南へ走り出せば、そこから先は大分の「食」と「湯」を詰め込んだ1泊2日の始まりです。このルートのテーマは「地獄蒸しの食材を買って、湯治宿に泊まる」。道の駅なかつで新鮮な野菜や海の幸を調達し、鉄輪温泉の老舗洋食店でランチをとって、夜は温泉の蒸気で自炊する湯治スタイルの宿へ。翌日は地元で行列のできる回転寿司で関アジ・関サバをつまみ、帰りは深耶馬渓の岩峰がそびえる一目八景を眺めながら、行きとはまったく違う渓谷の道で空港へ戻ります。海沿いで行って、山を抜けて帰る——大分の表と裏を一度に味わう周回ドライブです。
このルートで巡るスポット
- 道の駅 なかつ — 県内最大級の直売所で、今夜の地獄蒸しの食材を調達
- 別府湾サービスエリア(下り) — 別府湾を見下ろす高台のSA、由布院の名店が集まる
- レストラン 三ツ星 — 鉄輪の路地に佇む洋食店、海老出汁のスープが絶品
- 鉄輪温泉 湯治柳屋 — 地獄釜で自炊する、湯治文化を今に伝える宿
- 亀正くるくる寿司 — 行列必至の人気回転寿司で関サバ・関アジを
- 一目八景展望台(深耶馬渓) — 岩峰群がそびえる耶馬渓随一の景勝地
- 道の駅 耶馬トピア — 石臼挽きの手打ちそばで旅を締めくくる
ルート詳細
1. 道の駅 なかつ
- タイプ: 道の駅
- 滞在目安時間: 30〜45分
- 見どころ: 北九州空港から東九州道と国道10号で1時間ほど、中津のバイパス沿いにある大型の道の駅です。ここの主役は県内でも最大級の規模を誇る直売所「オアシス春夏秋冬(ひととせ)」。地元の野菜や果物、海産物までずらりと並びます。このルートでは、ここが今夜の地獄蒸しの食材調達所。鉄輪の宿で温泉の蒸気を使って自炊するので、蒸したら美味しそうな野菜や卵、海の幸を見繕っていきましょう。売店のソフトクリームがかなり美味しかったのも書き添えておきます。運転の合間の休憩にぜひ。
2. 別府湾サービスエリア(下り)
- タイプ: 展望スポット(SA)
- 滞在目安時間: 20〜30分
- 見どころ: 中津から東九州道を南下し、日出JCTから大分道に入ってすぐの高台にあるサービスエリアです。眼下に別府湾と別府の街並みが広がる、九州でも指折りの「絶景SA」。敷地内には由布院の名旅館・山荘無量塔がプロデュースするそば処「不生庵」やロールケーキで有名な「B-speak」系のカフェが入っていて、サービスエリアとは思えない顔ぶれです。私たちが訪れた日はあいにくの曇り空で、風が強くて早めに退散しましたが、それでも湾を見下ろすロケーションは十分に伝わってきました。晴れた日なら、ここでのんびりコーヒー休憩がおすすめです。


3. レストラン 三ツ星
- タイプ: 洋食(ランチ)
- 滞在目安時間: 60分
- 見どころ: 別府ICを降りて鉄輪温泉へ。温泉街の入り口、いでゆ坂の近くの角に赤いテントの可愛らしい店構えを見つけたら、そこが「洋食の店 レストラン三ツ星」です。ヨーロッパ各地で修行したシェフが家族で営む店で、鉄輪では行列のできる人気店。まず出てくる海老の出汁が濃厚なスープが絶品で、これだけでも来た甲斐があったと思える一杯です。メインは三ツ星オリジナルのオムライスに海老フライを添えて。デミグラスソースの懐かしくも深い味わいと、ぷりぷりの海老フライの組み合わせは間違いありません。



4. 鉄輪温泉 湯治柳屋
- タイプ: 温泉(宿泊)
- 滞在目安時間: 一泊
- 見どころ: 今夜の宿は、鉄輪の湯けむりの中に暖簾を掲げる「湯治柳屋」。大正時代から続く湯治宿を今の感覚で使えるように整えた宿で、名物は温泉の蒸気で食材を蒸し上げる「地獄釜」での自炊です。道の駅なかつで調達した野菜や卵をここで蒸すと、素材の味がぎゅっと濃くなって驚きます。塩気を含んだ蒸気で蒸し上がる地獄蒸しは、鉄輪でしか味わえない食体験。朝は湯けむりの路地を散歩して、共同湯の風情を味わうのもおすすめです。

3回リピートして泊まった部屋・地獄蒸し・朝食の詳細は、湯治柳屋の宿泊記にまとめています。なお柳屋は宿泊予約サイトには掲載がなく、予約は公式サイトからになります。
翌朝、大正5年創業・大分県最古のパン屋「友永パン屋」(別府市街、日祝休)に立ち寄るのも定番コースです。私たちも店の前まで行ったのですが、行列ができていて時間の都合で断念——それだけ地元に愛されている店なので、時間に余裕を持って組み込むのがおすすめです。
5. 亀正くるくる寿司
- タイプ: 回転寿司(ランチ)
- 滞在目安時間: 45〜60分
- 見どころ: 2日目の昼は、鉄輪から九州横断道路を少し下ったところにある「亀正くるくる寿司」へ。地元で知らない人はいない行列必至の回転寿司で、豊後水道の地魚が手頃な値段で味わえます。狙うべきはやはり大分が誇るブランド魚、関サバと関アジ。コリコリとした歯ごたえと脂の甘みは、回転寿司の常識が変わるレベルです。分厚く切られた中トロも圧巻でした。関サバ・関アジは遅い時間には売り切れることがあるので、開店直後の早めの時間に入るのが正解です。なお、朝7時半頃から店頭の記帳で順番の予約ができる仕組みがあります。運用の詳細は公式Instagramで確認してから向かうのが確実です。




6. 一目八景展望台(深耶馬渓)
- タイプ: 観光(展望台)
- 滞在目安時間: 40〜60分
- 見どころ: 別府から山側へ約1時間、帰路はあえて内陸の耶馬渓を抜けるルートを取ります。深耶馬渓の中心にある一目八景は、群猿山や鳶ノ巣山など八つの岩峰群がぐるりと見渡せることからその名がついた、耶馬渓を代表する景勝地。展望台の周りには昔ながらの土産物店やそば処が並び、渓谷の底の温泉街のような独特の風情があります。そそり立つ岩の柱と紅葉のコントラストは例年10月下旬〜11月中旬が見頃で、私たちが訪れた11月上旬は色づき始めの頃。それでも夕方の光に照らされた岩峰は息をのむ迫力でした。




7. 道の駅 耶馬トピア
- タイプ: 道の駅
- 滞在目安時間: 30〜45分
- 見どころ: 深耶馬渓から国道500号を中津方面へ、青の洞門と羅漢寺の中間あたりにある「そばづくし」の道の駅です。本耶馬渓はそばの産地で、ここでは地元産のそば粉を石臼で挽いた手打ちそばが味わえます。秋に訪れれば「新そば」の幟がはためく季節。旅の締めくくりの一杯にちょうどいい立ち寄り先です。そば粉の加工品などのお土産も揃うほか、予約すればそば打ち体験もできます。ここから中津市街へ抜ければ、北九州空港までは約1時間。行きの海沿いとはまったく違う、渓谷の余韻とともに帰路につきます。


まとめ
北九州空港を起点に、中津の道の駅で地獄蒸しの食材を仕入れ、鉄輪の洋食ランチと湯治宿の自炊で「食べる温泉」を満喫し、翌日は関サバ・関アジの回転寿司から深耶馬渓の岩峰美へ——海沿いで行って山を抜けて帰る、大分の恵みを丸ごと味わう周回1泊2日です。鉄輪泊は連泊すればさらに湯治らしさが増すので、2泊3日に伸ばして地獄めぐりや明礬温泉を足すのもおすすめ。紅葉の時期の耶馬渓は道が混み合うので、朝の出発を少し早めに設定しておくと安心です。