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遠刈田温泉(宮城・蔵王)2022年8月・2023年10月(計2回)宿泊

遠刈田温泉 旬菜湯宿 大忠 宿泊記 — 全10室オールインクルーシブ。3つの貸切風呂と'はらこめし'

宿名
旬菜湯宿 大忠
部屋
和室(1回目)/3階のベッド付きの部屋(2回目)
風呂
大浴場「南天の湯」「天色の湯」(男女入れ替え制)。貸切風呂3つは空いていれば何度でも無料(1回40分以内)
食事
夕朝食付き・オールインクルーシブ(生ビール・ハイボール・ワイン・スパークリングワイン・自家製サングリアを含む)
貸切風呂
3つ・予約不要で空いていれば何度でも・1回40分以内
駐車場
無料

2022年8月・2023年10月(計2回)に実際に宿泊した体験に基づく記事です(最終更新: 2026-08-16。プラン内容・料理・風呂の時間帯・設備なども宿泊時点のもので、その後変わっていることがあります。最新の内容は宿の公式サイトや各予約サイトでご確認ください。

宮城・蔵王の遠刈田温泉にある、全10室のこぢんまりとした宿です。館内は畳敷きで、フロントのすぐ脇にBARがある——という構えからも分かるとおり、この宿の性格はオールインクルーシブにあります。生ビールもハイボールもワインも自家製サングリアも宿代に含まれていて、夕食中の飲みものにも追加料金がかかりません。私たちは2022年8月と2023年10月の2回泊まりました。オールインクルーシブの温泉宿に泊まったのは、このときが初めてでした。

旬菜湯宿 大忠の外観。黒い縦格子の塀に「旅館 大忠」の金色の切り文字看板が掲げられ、奥に黄土色の壁の二階建てが続く
温泉街の路地に面した外構。看板は「旅館 大忠」と出ています
1回目(8月)の滞在。三陸産の雲丹が出た回です

チェックインまで

宿は遠刈田の温泉街の中にあります。1回目は畳敷きの和室でした。

大忠の玄関へのアプローチ。木の梁を渡した屋根の下に石畳が伸び、両脇に玉砂利と石積み、奥に格子戸が見える
玄関までのアプローチ。館内は全館畳敷きです

温泉街の中に建っているぶん、部屋からの景色は期待しないほうがいいです。1回目の滞在では外の景色は特に見えませんでした。ただ、これは階によって変わります。

部屋

大忠の和室。畳に楕円形の座卓と黒い座椅子が置かれ、右手の障子窓の脇にマッサージチェアが据えられている
1回目に泊まった和室。この部屋にはマッサージ機がありました

2回目は3階の部屋で、ベッドがあって広めのつくりでした。1回目の部屋にはマッサージ機がありましたが、3階の部屋にはありません。部屋によって設備が違うので、こだわりがあるなら予約時に確認しておくといいと思います。

部屋に入ってすぐのところにトイレがあり、便座は自動で開くタイプ。味のある引き出しの中にコップやコーヒー、お茶が用意されていて、テレビの下にセキュリティボックスと冷蔵庫があります。冷蔵庫にはペットボトルの水と冷えたグラス。

そして3階に泊まったことで、景色の話が変わりました。窓の向こうに蔵王の山並みが見えて、10月の滞在では稜線にすでに雪が積もっている部分がありました。朝には虹も出て、温泉街の屋根の向こうに山と虹が並ぶ——景観は期待していなかったので、これは完全に予想外の当たりでした。

大忠の3階の部屋から見た景色。温泉街の屋根の向こうに紅葉の始まった山並みが広がり、雲のかかった空に虹が架かっている
10月、3階の部屋の窓から。屋根の向こうに山と虹が並びました

オールインクルーシブ — 夕食前はBARとフリードリンクコーナーで

部屋に落ち着いたら、あとは夕食まで自由に飲めます。この宿のオールインクルーシブの中心は、フロント脇のBARと、その奥のフリードリンクコーナーです。

大忠の館内のBAR。一枚板の大きなカウンターの奥に酒瓶の並ぶ棚とワインセラーがあり、ドリンクメニューが置かれている
フロント脇のBAR。一枚板のカウンターで飲めます
大忠のフリードリンクコーナー。製氷機とドリンクサーバーが並び、脇にグラスとワインクーラーが用意されている
奥のフリードリンクコーナー。グラスもここに揃っています

スパークリングワインと自家製サングリアは、金色のクーラーに冷えているものから自分で注ぎます。

金色のワインクーラー2つ。それぞれに「スパークリングワイン」「自家製サングリア」と書かれた札が下がっている
夕食前はここから。冷えているものを自分で注ぎます

オールインクルーシブについて正直なところを書いておくと、追加料金がかからないとはいえ、そこまでお酒が強くないと結局2〜3杯で終わってしまいます。飲み放題の元を取りにいくタイプの宿というより、「飲みものの値段を気にせず食事に集中できる」ことに価値がある宿だと思います。

風呂 — 貸切風呂は空いていれば何度でも

この宿の風呂で一番うれしいのは、貸切風呂が予約不要で、空いていれば何度でも入れることです。1回の利用は40分以内という決まりだけあります。

貸切風呂は3つあって、浴室ごとに性格がはっきり違います。「紺碧の湯」は信楽焼の陶器を使った風呂。「もも花の湯」はこの宿で唯一の半露天で、外の空気を感じながら入れます。「風みどりの湯」は岩風呂で、一人で入るには少し贅沢な広さでした。人気の浴室は時間帯によって埋まっているので、空いているところから順に入っていく、という使い方になります。

大忠の貸切風呂。テラコッタ色のタイルを敷いた浴室に、青みがかった陶器の楕円形の浴槽が据えられ、窓の外に石像と植栽が見える
陶器の浴槽の貸切風呂。窓の外にも小さな庭がしつらえてあります
大忠の岩風呂の貸切風呂。石を組んだ浴槽に湯が張られ、窓の外は木の塀と植栽で囲まれている
岩風呂の貸切風呂。ひとりで入るには贅沢な広さでした

大浴場は「南天の湯」と「天色の湯」の2つで、男女入れ替え制です。大正時代の色ガラスから光が差し込む、昔の湯小屋をイメージしたつくりだそうです。レトロな窓とステンドグラスが印象的で、ロゴのようなステンドグラスが湯船の水面にも映っていました。大きな浴槽は半分が半身浴用の浅いつくりになっていて、熱めの丸いお湯にはちょうど良く浸かってくつろげます。

大忠の大浴場。木の壁に囲まれた浴室に、うっすら茶色く色づいた湯をたたえた大きな浴槽があり、窓の外に竹垣が見える
大浴場。湯船の縁に手すりが付いています

温泉街の中の宿なので浴場の外は柵で覆われていて眺望はありませんが、外の風は感じられます。

食事 — 蔵王の食材と、〆のはらこめし

夕食は18時から。オールインクルーシブなので、食事中のドリンクにも追加料金はかかりません。

先付けは「蔵王彩り前菜」。サーモンアボカドのポキ、蔵王豚肉JAPAN Xのパテドカンパーニュ、そして「燻り三兄弟」——燻製ポテトサラダ、燻りガッコ、蔵王産豚肉のベーコン。前菜はすべておいしかったのですが、この燻り三兄弟、とくに蔵王産豚肉のベーコンが際立っていました。スパークリングワインと梅酒で乾杯。

大忠の夕食の前菜。赤い丸皿に小鉢がいくつも並び、手前にとうもろこし、奥にスパークリングワインと白ワインのグラスが置かれている
先付けの「蔵王彩り前菜」。品数が多く、最初から満足度が高い

続くオニオンスープは味が濃くておいしい。仙台麩とチーズが入っていました。夕食の部屋にはおばんざいやおでんなど、セルフで取れる料理も並びます。

セルフで取れるおでんの保温鍋。4つに仕切られた鍋に肉巻き、卵、大根と人参、厚揚げが分けて入っている
おでんはセルフ。取り皿に好きなだけ取れます
殻付きの生うに。とげのある黒い殻の中にオレンジ色の身が並び、手前におでんの小鉢とスパークリングワインのグラスが置かれている
8月に出た三陸産の雲丹。殻ごと供されます
黒い角皿にのった大忠名物の包み揚げ。薄い皮をきんちゃく状に包んで揚げてあり、こんがりと色づいている
名物の包み揚げ。これを目当てにリピートする人も多いそうです
陶板の上で焼かれる蔵王牛のサーロインステーキ。手前にニンニクと厚揚げが一緒にのり、奥に白飯とお椀が並ぶ
蔵王牛のサーロインは陶板で自分で焼きます。ニンニクと厚揚げも一緒に

〆は、10月なら釜炊きの「はらこめし」。鮭のアラから取った出汁で炊いたご飯に、いくらと鮭をのせた名物ご飯です。ここまでで大分お腹は膨れていましたが、これを楽しみにしていたので別腹でした。お味噌汁は仙台宮町「阿部幸商店」の仙台味噌で作ったものとのこと。

釜炊きのはらこめし。白飯の上にいくらと鮭の身がたっぷりのせられ、脇にあおさの味噌汁とハイボールのグラスが置かれている
10月の〆、釜炊きのはらこめし。これを楽しみに10月を選びました

デザートは杏仁豆腐に「ゼネラル・レクラーク」という洋梨がのったもの(10月)、みたらしクリームのミルクプリンやティラミス(8月)。

朝食

朝食の主なメニューは朝カレー、女将の温泉たまご、出来立ての寄せ豆腐、こだわりの梅干しなど。具沢山の季節のお味噌汁は、前日にお酒を飲んだ翌朝ほどおいしく感じます。

大忠の朝食。仕切りのある黒い重箱に焼き魚や卵焼き、小鉢が詰められ、脇に白飯、味噌汁、温泉たまご、寄せ豆腐、オレンジジュースが並ぶ
朝食は重箱で。女将の温泉たまごと寄せ豆腐が付きます

お食事処はのんびり食べていたらほぼ人がいなくなっていました。

朝風呂もひととおり回れます。前日に入っていない貸切風呂が空いていれば、そちらから。

お土産の女将の温泉たまごは数量限定なので、欲しいなら早めに確保しておくのがおすすめです。

まとめ — こんな人におすすめ

全10室という規模の小ささが、そのまま体験の質になっている宿です。貸切風呂が予約不要で何度でも入れるのも、10室だから成立する運用だと思います。浴室ごとに陶器・岩・半露天と表情が違うので、滞在中に湯めぐりをしているような感覚になります。

温泉街の中にあるので眺望は基本的に期待できませんが、私たちが泊まった3階の部屋からは蔵王の山並みが見えました。景色も欲しいなら、予約時に階を相談する価値があります。

食事は蔵王の食材を軸にした構成で、名物の包み揚げと、秋なら釜炊きのはらこめしが目当てになります。お酒をよく飲む人ならオールインクルーシブの恩恵は大きいですが、そうでなくても「食事中の飲みものを気にしなくていい」という気楽さは十分に効きます。

同じ遠刈田温泉には、この宿と関連するオーベルジュ 別邸山風木があります。街中の大忠に対して、山風木は街から少し離れた静かな立地。同じ遠刈田でまったく違う滞在ができるので、2回行くなら両方試すのがおすすめです。

2回目(10月)の滞在。〆の釜炊きはらこめしはこの回です

旬菜湯宿 大忠のよくある質問

Q. 旬菜湯宿 大忠のオールインクルーシブには何が含まれますか?
A. 生ビール・ハイボール・ワイン・スパークリングワイン・自家製サングリアなどのアルコールと、ソフトドリンクが宿代に含まれます。フロント脇のBARと奥のフリードリンクコーナーで、夕食前くらいまで自由にいただけます。夕食中のドリンクにも追加料金はかかりません。
Q. 貸切風呂は予約が必要ですか?
A. 貸切風呂は「紺碧の湯」「もも花の湯」「風みどりの湯」の3つ。予約は不要で、空いていれば何度でも入れます。1回の利用は40分以内という決まりです。人気の浴室は時間帯によって埋まっているので、チェックイン直後や食事の前後など、空きを見て動くのがおすすめです。
Q. 部屋から景色は見えますか?
A. 温泉街の中にある宿なので、基本的に眺望は期待しないほうがいいです。ただし2回目に泊まった3階の部屋からは蔵王の山並みが見えました。10月には稜線に雪が積もっているのが見え、朝には虹も出ました。どの部屋から見えるかは分からないので、景色も欲しいなら予約時に階を相談してみてください。
Q. 遠刈田温泉のお土産でおすすめはありますか?
A. 宿で売っている女将の温泉たまごです。数量限定なので、欲しい場合は早めに買っておくことをおすすめします。