遠刈田の街中から少し離れた場所にある、オールインクルーシブのオーベルジュです。同じ遠刈田温泉の旬菜湯宿 大忠と関連する宿で、前年(2022年8月)に大忠へ泊まったときからずっと気になっていた宿です。私たちは2023年7月と2024年6月の2回泊まっています。
チェックインまで
宿は遠刈田の街中からは少し離れた場所にあります。1回目はカーナビの案内でUターンして少し迷いましたが、着いてしまえば分かりやすい場所です。2回目は東京を出発して福島県のいわきで朝食、そのまま福島県内で昼食をとってから移動し、チェックイン時間の15時頃に到着しました。
お屋敷のような建物を見ながら駐車場へ。レストランの近くに池があり、それを囲むように部屋のある建物が配置されています。


飲みものはオールインクルーシブなので、部屋に入る前にここで1杯やってしまってもかまいません。

部屋 — サンルームから庭を眺める
泊まったのは和室。1回目は「柚子」、2回目は「丁子(ちょうじ)」という部屋でした。どちらも広々としていて、サンルームがあって部屋から庭を眺められるのがこの宿の部屋の良さです。


冷蔵庫や洗面所、お茶セットは入り口に固まっています。タオルを乾かすオイルヒーターがあるのが温泉宿らしいところ。トイレは便座が自動で上がるウォシュレットで、清潔でした。お風呂セットには足袋ソックスが入っていて、セキュリティボックスもここにあります。
ひとつだけ、7月の滞在ではサンルームの暑さが気になりました。ガラス張りで日差しが入るぶん、ここだけはクーラーが効きにくく、部屋に着いてすぐ効かせておいてもかなりの暑さでした。居室のほうは問題ありません。真夏に泊まるなら、サンルームでくつろぐのは日が傾いてからと考えておくといいと思います。
風呂 — 源泉かけ流し100%と、無料の貸切風呂
お湯は源泉かけ流し100%。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。
風呂の構成は大浴場に加えて、無料の貸切風呂が2つ。空いていれば追加料金なしで入れます。1回目は部屋をさっと見たあと、まず貸切風呂の空きを確認しに行きました。2つは湯船の形が違って、四角いものと丸いものがあります。私たちは両方入りましたが、それ以外の造りは基本的に同じです。
貸切の露天風呂は開放感がありました。快晴の日に青空を見上げながら入る露天は、最高の贅沢だと思います。**明かりを消す「星空スイッチ」**があるので、夜は消して星を探すこともできます(試した日は思ったほど星が見えませんでしたが、これは天気次第です)。

大浴場は「風と木々の湯」と「月と風の湯」の2つで、20時で男女が入れ替わります。夕食後にもう一方に入りに行けるので、両方見たいなら食後の時間を空けておくといいです。洗い場は独立していませんが、シャワーのところに一式用意されています。湯上がりラウンジには本も置いてあります。

2024年6月の滞在時にはフィンランド産のバレル式サウナが新しくできていました。ただし夜は22時ごろまで。その日はお腹がいっぱいで夜のうちには入れず、翌朝に入りました。夜に入りたい人は、食事の量と時間を意識しておいたほうがいいです。
食事 — 「美食探求プラン」
夕食は「美食探求プラン」を選びました。オーベルジュを名乗るだけあって、ここがこの宿の主役です。
このプランにした一番の理由は、生雲丹丼が確約されていることでした。雲丹は年々値上がりしていて、食べられる機会そのものが減っています。それが宿代に含まれる形で確実に出てくるなら、プラン代の差は納得できると考えました。
ただし**「美食探求プラン」の内容は季節によって変わります**。私たちが泊まった7月と6月はどちらも生雲丹丼を選べましたが、狙っている料理があるなら予約のときに内容を確認しておくことをおすすめします。

始まりは前菜です。金彩の飾り皿に巻き寿司やはまぐり、卵、とうもろこしなどが一口ずつ盛られ、奥の膳にも小鉢が並びます。品数の多い前菜に加えて、おばんざいはビュッフェコーナーから自由に取れます。おばんざいはなくなってしまうこともあるので、早めにいただいておくのがおすすめです。

3品目に出てくるお造りが、この宿らしい一皿でした。殻付きの雲丹、牡丹海老、鮪、白身が朱色の皿に盛られて出てきます。


- お口直し — メインの前に柚子のシャーベットでさっぱりと
- メイン — 最高級A5ランク仙台牛のサーロインステーキか、大鮑の炙り焼き三種味比べから選択
そして〆は、雲丹の釜炊きご飯か生雲丹丼かの選択。私たちは迷わず生雲丹丼を選びました。臭みもなく、絶品の甘みのある生雲丹がご飯にのっていて、かなりの美味しさでした。我が家では以前、北海道の知床から雲丹をお取り寄せしていたのですが、最近は雲丹も高騰して食べる機会が減っているので、なおさらありがたい一皿です。お味噌汁は仙台の「阿部幸商店」のこだわりの仙台味噌で作ったものとのことでした。

飲みものはオールインクルーシブ。湯上がりにハイボール、結局食事前に生ビール2杯・ハイボール1杯・スパークリングワインハーフ程度をいただきました。暑い日に飲むこれが本当においしい。2杯目は自家製のモスコミュールを、銅の器で冷えているものからいただきました。
食後はお腹がいっぱいで、部屋でしばらくまったり。リラックスしすぎて食後すぐ寝てしまうこともありますが、体的には癒されている気がします。
朝食 — カウンター席で、池を眺めながら
朝食はカウンター席でした。席に着いたときには、目の前で調理をしているところ。カウンター席から見る池の景色がよく、睡蓮の花も咲いていました。


梅干し、女将の温泉玉子、「はせがわ屋」の寄せ豆腐、とろろなど。すき焼きに仙台味噌の味噌汁という組み合わせで、かなり気に入りました。
売店では女将の温泉玉子を買えます。
出発のタイミングでは自家製パンをいただきました。そして宿の方が車まで荷物を運んでくれます。チェックアウトは11時。1回目は11時近くまで宿にいて、山風木を十分に堪能しました。
周辺 — 帰り道に寄れるところ
遠刈田からの帰り道では、秋保大滝(宮城県仙台市太白区秋保町馬場字大滝)に立ち寄りました。大滝レストハウスでソフトクリームをいただくのもおすすめです。
ヨーグルト工房 Atreyu(宮城県刈田郡蔵王町大字小村崎字向屋68-1)にも寄ろうとしましたが、15時の閉店時間に間に合いませんでした。道が狭くなって引き返すか迷うような場所にあるので、行くなら時間に余裕を持って向かってください。
森の中にある喫茶店 BLUE COFFEE(宮城県柴田郡川崎町大字前川字手代塚山1-363)でいただいたバスクチーズケーキも印象に残っています。
まとめ — こんな人におすすめ
食事と湯を両方きちんと取りにいきたい人に向いた宿です。オーベルジュを名乗る夕食(美食探求プラン)と、源泉かけ流し100%の湯、そして無料で入れる貸切風呂——このどれかが目当てなら、遠刈田で真っ先に候補にしていいと思います。とくに雲丹が目当てなら、生雲丹丼が確約される「美食探求プラン」を選ぶ価値があります。ただし内容は季節で変わるので、予約のときに確認してください。
遠刈田の街中から離れているので、温泉街の散策や食べ歩きを主目的にするなら向きません。逆に言えば、宿から一歩も出ずに完結させる滞在をしたい人には理想的です。チェックアウトが11時と遅めなのも、朝風呂と朝食のあとにもう一度ゆっくりできて助かります。
同じ遠刈田温泉の旬菜湯宿 大忠は、街中にある全10室の宿。貸切風呂の数は大忠のほうが多く、山風木は湯の質と食事で勝負している、という印象です。関連する宿なので味噌汁の仙台味噌が同じ「阿部幸商店」だったりと共通点もありますが、滞在の性格はかなり違います。