箱根に行くのに、あえて小田原から登らない。東名を御殿場まで走り、乙女峠を越えて仙石原側から入るのがこのルートです。国道1号の渋滞をかわせる実利もさることながら、峠を越えた瞬間に広がる仙石原の高原の景色は、「いつもの箱根」とはまるで別の顔。テーマは「高原と、火山と、湖」。すすきの草原を歩き、大涌谷で地球の息づかいを感じて、芦ノ湖の静かな西岸へ。観光の中心地の喧騒から少し外れた、大人のための箱根一周です。締めは仙石原の温泉宿。翌朝もう一度すすき草原を散歩してから帰る、そんな過ごし方が似合うルートです。
このルートで巡るスポット
- 仙石原すすき草原 — 峠を越えた先に広がる、金色の草原(秋が見頃)
- 箱根湿生花園 — 湿原の植物をのんびり巡る、高原の植物園
- ぱんのみみ(宮城野) — 食パンまるごとの名物「ぱんグラタン」でお昼
- 大涌谷 — 噴煙と硫黄の匂い、名物の黒たまご
- 桃源台・湖尻(芦ノ湖西岸) — 観光船の発着する、芦ノ湖の静かな北西岸
ルート詳細
1. 仙石原すすき草原
- タイプ: 観光スポット
- 滞在目安時間: 45〜60分
- 見どころ: 御殿場ICから乙女峠を越え、仙石原に下りてきた道沿いに現れる、一面のすすき野原。草原の真ん中を一本道が貫き、両側を金色の穂に挟まれて歩けます。見頃は9月下旬から11月ごろで、逆光の時間帯(午前の早めか夕方)に穂が輝く景色は圧巻。シーズンの週末は周辺駐車場が混み合うので、朝いちばんに組み込むのがおすすめです。緑の季節もまた爽やかで、高原の空気を吸うだけでも立ち寄る価値があります。


2. 箱根湿生花園
- タイプ: 観光スポット
- 滞在目安時間: 60分前後
- 見どころ: すすき草原からすぐ、湿原に生きる植物を集めた珍しい植物園。木道を歩きながら、季節ごとの草花と背後の箱根外輪山をゆっくり眺められます。派手さはありませんが、この「静かな時間」こそ仙石原エリアの魅力。歩くペースが自然と落ちる場所です。冬季は休園期間があるので、訪れる前に開園状況を確認してください。
3. ぱんのみみ(宮城野)
- タイプ: グルメ(喫茶・洋食)
- 滞在目安時間: 45〜60分
- 見どころ: 仙石原から国道138号を宮城野方面へ少し走った先にある喫茶店で、このルートのお昼はここ。名物は、食パンをまるごと一斤くり抜いた器に熱々のグラタンをたっぷり注いで焼き上げた「ぱんグラタン」です。玉ねぎの甘みを効かせた特製ホワイトソースと、器ごとちぎって食べるパンの香ばしさで、見た目のインパクトに味がきちんと追いついてくる一皿。パンは宮ノ下の老舗・渡邊ベーカリーのものを使っていて、当サイトの箱根パン屋ルートともつながる箱根らしい名物です。営業は昼どきのみで売り切れじまい、定休日もあるので、訪問前に営業日の確認を。
4. 大涌谷
- タイプ: 観光スポット
- 滞在目安時間: 60分前後
- 見どころ: 宮城野から山を登った先、白い噴煙が上がる箱根火山の中心部。硫黄の匂いに包まれた谷の風景は、さっきまでの穏やかな高原とは一転して荒々しく、この落差がこのルートのハイライトです。名物は温泉の化学反応で殻が黒くなる「黒たまご」。天気が良ければ富士山との共演も望めます。火山活動の状況により立ち入りが規制されることがあるので、事前に最新情報の確認を。駐車場は有料です。
5. 桃源台・湖尻(芦ノ湖西岸)
- タイプ: 観光スポット
- 滞在目安時間: 45〜60分
- 見どころ: 大涌谷から下って芦ノ湖の北西岸へ。観光船が発着する桃源台から湖尻にかけては、元箱根側の賑わいと比べて静かで、湖面をゆっくり眺められるエリアです。湖畔を散歩するもよし、時間が合えば観光船で湖上からの箱根を楽しむもよし。夕方の斜光に湖がきらめく時間帯が特に美しく、一日の締めくくりにふさわしい場所です。ここから仙石原の宿へは車ですぐ。
- 宿泊予約:
まとめ
御殿場から入る箱根は、渋滞をかわす裏ルートであると同時に、高原・火山・湖と景色が移り変わる「もうひとつの箱根」でもあります。定番の箱根湯本側とは巡る順序も空気も違うので、箱根リピーターにこそ走ってほしい一周です。日帰りも可能ですが、仙石原の宿でにごり湯に浸かり、翌朝の澄んだ空気の中でもう一度すすき草原へ——という二日目まで含めて、このルートは完成します。帰りは箱根湯本側へ下りても、来た道を御殿場へ戻ってもどちらでも。