東名高速を西へ、小田原厚木道路に入るころ、フロントガラスの向こうに相模湾の光がちらつき始めます。このルートのテーマは「老舗のパンと、湯けむり」。小田原の城下町で朝のあんぱんを頬張り、腹ごしらえのついでに天守を見上げてから、箱根の山道を登って明治創業のベーカリーでひと休み。芦ノ湖の湖面を眺めたら、あとは椿ラインを下って湯河原の温泉街へ——という、食いしん坊と温泉好きのための欲張りな一筆書きです。日帰りでも十分楽しめますが、終点が湯河原温泉だからこそ、できればそのまま一泊して、渓流の音を聞きながら湯に浸かる夜まで味わってほしいルートです。
このルートで巡るスポット
- 守谷製パン店(小田原) — 城下町の朝を告げる、行列のできるあんぱん
- 小田原城(小田原城址公園) — 石垣の上の白い天守。パン片手に城下町を歩く
- 渡邊ベーカリー(箱根・宮ノ下) — 明治創業、温泉シチューパンで山道の途中にひと休み
- 芦ノ湖・元箱根エリア — 湖越しの鳥居と、天気が良ければ富士山も
- 湯河原温泉(万葉公園と温泉宿) — 渓流沿いの温泉街でゴール。ここで一泊が正解
ルート詳細
1. 守谷製パン店(小田原)
- タイプ: パン屋
- 滞在目安時間: 20〜30分
- 見どころ: 小田原の街で長く愛されてきた昔ながらのパン屋さんで、名物はずっしりと餡の詰まったあんぱん。朝から地元の人が次々と訪れる光景そのものが、この店の信頼の証です。素朴な甘さのあんぱんを車内のお供に確保しておくと、このあとの山道ドライブがぐっと楽しくなります。ただし人気商品は午前中に売り切れることが多く、午後には店じまいしていることも珍しくありません。東京を早めに出発して、開店後できるだけ早い時間に到着するのがこのルート最初の勝負どころ。また小田原駅にほど近い立地で専用駐車場は期待できないので、周辺のコインパーキングを事前に調べておくと当日慌てずに済みます。

2. 小田原城(小田原城址公園)
- タイプ: 観光スポット
- 滞在目安時間: 30〜45分
- 見どころ: パンを買ったら、そのまま城下町を南へ。小田原駅から歩ける距離に、街のど真ん中とは思えない広さの城址公園が広がっています。堀を渡って公園に入り、ゆるやかな坂を上がっていくと、どっしりと積まれた石垣の上に白い天守閣が姿を現します。見上げる角度で対峙すると、石垣の高さと相まって想像以上の迫力。天守の中に入って展示を見ることもできますが、外から眺めて公園をぐるりと歩くだけでも十分に満たされます。空気の澄んだ冬の朝、青空を背負った白壁と黒瓦のコントラストはとくに気持ちのいいものでした。車は城址公園周辺の駐車場に停められますが、守谷製パン店からは歩ける距離なので、小田原駅周辺に一度停めてパン屋と城を徒歩でつないでしまうのも手です。

3. 渡邊ベーカリー(箱根・宮ノ下)
- タイプ: パン屋
- 滞在目安時間: 30〜45分
- 見どころ: 小田原から国道1号で箱根湯本を抜け、九十九折りの山道を登った先、クラシックホテルで知られる宮ノ下にある明治創業の老舗ベーカリー。名物は、丸いパンをくり抜いた器にビーフシチューを注いだ「温泉シチューパン」です。山道の運転でひと息つきたいタイミングにちょうど現れてくれる立地も含めて、箱根ドライブの定番休憩スポット。店舗にも駐車場はありますが台数が少なく狭めなので、近くの宮ノ下駐車場に停めて5分ほど歩くのがおすすめ。歴史ある温泉街の坂道をパン片手にそぞろ歩けば、クラシックホテルの佇まいなど宮ノ下の空気ごと味わえて、むしろ一石二鳥です。
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4. 芦ノ湖・元箱根エリア
- タイプ: 観光スポット
- 滞在目安時間: 60〜90分
- 見どころ: 宮ノ下から国道1号をさらに登り、峠を越えると視界がひらけて芦ノ湖が現れます。元箱根の湖畔からは、湖に立つ箱根神社の朱い鳥居が望め、空気の澄んだ日には富士山との共演も。湖畔を散歩するもよし、箱根神社に参拝するもよし。ここが標高のピークなので、湖を眺めながら「このあとは温泉に向かって下るだけ」という解放感を味わってください。
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5. 湯河原温泉(万葉公園と温泉宿)
- タイプ: 温泉
- 滞在目安時間: 日帰りなら90〜120分/宿泊なら翌朝まで
- 見どころ: 元箱根から椿ラインを下っていくと、渓流沿いに旅館が連なる湯河原の温泉街に着きます。万葉集にも詠まれたと伝わる古湯で、街の中心にある万葉公園は渓流沿いの遊歩道が気持ちよく、ドライブの締めくくりの散策にぴったり。日帰り入浴を受け付けている宿や共同浴場もありますが、夕暮れの温泉街の風情は泊まった人だけのもの。渓流の音を聞きながらの湯浴みと、宿の夕食までを含めてこのルートの完成形です。
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まとめ
朝は小田原のあんぱんと石垣の上の天守、昼は宮ノ下のシチューパン、午後は芦ノ湖の絶景、そして夕方には湯河原の湯けむり。走行距離のわりに景色と味の変化が濃い、東京圏から気軽に行ける満足度の高い一筆書きルートです。日帰りで駆け抜けることもできますが、湯河原まで来たなら、渓流沿いの宿にもう一晩。翌朝もう一度湯に浸かってから帰る贅沢を知ってしまうと、このルートはきっと「泊まり前提」になるはずです。気になる宿は週末の直前だと埋まりがちなので、出発日が決まったら早めのチェックをどうぞ。