ふるさと納税の返礼品には「宿泊補助券」「宿泊券」「楽天トラベルクーポン」という宿泊系のものがあります。この記事では、そのなかから私たちが実際に泊まった九州の温泉宿で使えるものだけを集めました。黒川温泉、由布院、別府・鉄輪、人吉、紫尾、指宿の6宿です。
寄付額・券面額・有効期限・予約方法は2026年9月6日に各ポータルの返礼品ページで確認しました。返礼品は年度や在庫で入れ替わるので、申し込む前に必ず最新の掲載内容を見てください。なお2025年10月からポータルサイトのポイント付与は禁止されているので、この記事ではポイントの話はしません。判断の軸は「券の使いやすさ」と「泊まってどうだったか」の2つです。
まず結論 — 6宿と使える返礼品
- 黒川温泉 山みず木(熊本県南小国町)→ 黒川温泉ふるさと宿泊補助券。1万円分ごとに寄付3万5,000円、有効期限は発行から1年
- ゆふいん山水館(大分県由布市)→ 由布市ふるさと納税宿泊補助券。6,000円分で寄付2万円から、有効期限は発行から2年
- 湯治柳屋(大分県別府市)→ 別府市内の旅館やホテルで使える宿泊補助券。3,000円分で寄付1万円から、有効期限は発行から1年
- 人吉旅館(熊本県人吉市)→ 宿名指定の宿泊券。平日限定・1泊2食付きペアで寄付7万4,000円
- 旅籠しび荘(鹿児島県さつま町)→ さつま町の温泉宿泊補助券。5,000円相当で寄付1万9,000円から
- 休暇村指宿(鹿児島県指宿市)→ 指宿市の楽天トラベルクーポン。寄付1万円で3,000円分から
返礼品の3タイプと、使いやすさの見方
宿泊系の返礼品は大きく3タイプに分かれます。どれも券面額は寄付額のおよそ3割で、この割合はどこの自治体でもほぼ同じです(返礼品は寄付額の3割以内という総務省のルールがあります)。差がつくのは金額ではなく使い勝手なので、私たちは次の点を見て選んでいます。
- 宿泊補助券(黒川温泉・由布市・別府市・さつま町)— 宿を自分で予約し、現地で券を出して差額を払う金券。宿を選ぶ自由がある反面、「現地決済で予約する」「予約時に券を使うと伝える」「おつりは出ない」という共通ルールがあります。有効期限は1年か2年。
- 宿名指定の宿泊券(人吉旅館)— 宿・食事・人数が決まったチケット。寄付額だけで泊まれますが、平日限定や利用不可日(年末年始・GW・お盆・祝前日)があります。
- 楽天トラベルクーポン(指宿市)— 楽天トラベルで対象施設を予約するときに使う電子クーポン。紙の券は届かず、予約経路が楽天トラベルに限られます。
1. 黒川温泉 山みず木 — 黒川温泉ふるさと宿泊補助券
黒川温泉の温泉街から車でさらに10分ほど山へ入った奥黒川の宿です。2024年7月に泊まりました。ハイライトは渓流沿いの別棟の湯小屋で、内湯のひのき風呂からそのまま田の原川に面した大きな露天へつながる造り。夕食・朝食は個室の食事処で、竹筒に立てて出てくる鮎の串焼き、肥後牛の陶板焼き、郷土料理の団子汁と、阿蘇の食材が続きます。姉妹館「山みず木別邸 深山山荘」の大浴場にも入れるので、宿から出なくても湯めぐりができました。
使える返礼品 — 黒川温泉ふるさと宿泊補助券(南小国町)
黒川温泉観光旅館協同組合が発行する補助券で、1万円券が1枚(寄付3万5,000円)から20枚(寄付70万円)まで選べます。2026年9月6日時点の利用可能施設一覧(2025年8月時点の情報と明記)に「山みず木」と「山みず木別邸 深山山荘」の両方が載っています。
- 有効期限は発行日から1年間。延長はできません
- 予約は電話・公式サイト・予約サイトのどれでもよいが、支払いは必ず現地決済を選び、予約時に補助券を使うと伝える
- 事前決済・オンライン決済では使えない。おつりは出ない
山みず木は2人で泊まると1泊2食で数万円台の宿なので、1万円券を2〜3枚(寄付7万〜10万5,000円)が現実的な組み合わせです。同じ南小国町には「南小国町観光商品券」(1万円分で寄付3万5,000円)と「南小国町の対象施設で使える楽天トラベルクーポン」もありますが、こちらは山みず木が対象かどうかをページで確認できなかったので、使うなら申し込み前に宿へ問い合わせてください。
2. ゆふいん山水館 — 由布市ふるさと納税宿泊補助券
由布院駅から徒歩8分ほどの大型旅館で、2025年7月と9月の2回泊まりました。この宿を選ぶ理由は、お酒まで飲み放題のオールインクルーシブと、部屋の窓一面に広がる由布岳です。夕食はレストラン麦酒館での約50種のバイキングで、目の前で焼いてくれる大分和牛の鉄板ステーキが一番のごちそう。生ビールに加えて山水館オリジナルの地ビール「ゆふいんビール」が注ぎ放題で、日本酒・焼酎・ウイスキーまで揃います。朝は朝霧のかかった由布院盆地の向こうに由布岳が浮かぶ景色を部屋から眺められました。
車で行っても、宿に着いてその日はもう運転しないなら夕食の飲み放題は楽しめます。飲めないのは翌朝の運転前なので、前夜は翌朝に残らない量にとどめてください。私たちは博多から特急で由布院に入る電車旅で泊まりました。
使える返礼品 — 由布市ふるさと納税宿泊補助券
一般社団法人 由布市まちづくり観光局が発行する補助券で、6,000円分(寄付2万円)、1万5,000円分(寄付5万円)、3万円分(寄付10万円)、6万円分(寄付20万円)の4種類。利用可能施設一覧の由布院温泉の欄に「ゆふいん山水館」が載っています。
- 有効期限はチケット発行日から2年間。この記事の補助券では一番長い
- 宿泊施設への直接の事前予約が必要で、予約時に補助券を使うと伝える
- つり銭は出ない。一部の施設には1泊あたりの割引限度額(宿泊人数×5万円)がある
3. 湯治柳屋(鉄輪温泉)— 別府市内の旅館やホテルで使える宿泊補助券
別府・鉄輪温泉の湯治宿で、2024年7月・11月、2025年7月と3回泊まっています。中庭に並ぶ地獄釜で食材を蒸して食べる自炊が主役で、近くのスーパーで買い出しした海鮮や肉まん、とうもろこしを籠に詰めて釜へ。朝食は名物のせいろ蒸しで、飲茶・洋風・和風のローテーションです。自家源泉かけ流しの大浴場はメタケイ酸が豊富なとろりとした湯でした。柳屋は楽天トラベルやじゃらんに掲載がなく、公式サイトからの直販が基本の宿です。
使える返礼品 — 別府市内の旅館やホテルで使用できる宿泊補助券
別府市旅館ホテル組合連合会が発行する補助券で、3,000円分(寄付1万円)から30万円分(寄付100万円)まで金額を選べます。ふるさとチョイスの返礼品ページにある利用可能施設一覧に「鉄輪 柳屋」が載っていることを確認しました(楽天の返礼品ページには一覧がないので、申し込む前にチョイス側の一覧か宿で確認してください)。
- 有効期限は発行日から1年間
- 宿泊施設へ電話での直接の事前予約が必要で、決済方法は現地決済。精算時に券を出す
- 使えるのは宿泊のみ(キャンセル料や売店には使えない)。使用上限は1人1泊5万円。つり銭は出ない
柳屋の湯治部やネストは1泊の単価が抑えめなので、3,000円分や1万5,000円分の小さな券で使い切りやすいのが相性のいいところです。なお別府市には楽天トラベルクーポンもありますが、柳屋は楽天トラベルに掲載がないため対象外と考えてください。
4. 人吉旅館(人吉温泉)— 宿名指定の平日限定・1泊2食付きペア宿泊券
昭和9年創業、2012年に国の登録有形文化財になった人吉温泉の旅館です。私たちは2025年9月にレンタカーで訪ね、「スタンダード会席プラン」のバスなしの和室(8畳に次の間3畳)に泊まりました。温泉はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(pH8.16の弱アルカリ性)の100%源泉かけ流し。時間帯で男女が入れ替わる大浴場2か所、露天風呂1か所、貸切の家族湯2か所があり、私たちは全部に入りました。お湯がとてもよく、この宿はまず湯で選ぶ価値があります。夕食の会席はボリュームが多いので、お腹を空かせて臨んでください。




使える返礼品 — 【平日限定】2食付きプラン(ペア)宿泊チケット
寄付7万4,000円で、2名分の1泊2食(地元食材の会席料理)が付いた宿泊チケットが届きます。この記事の6宿のなかで唯一、寄付額だけで宿泊が完結する返礼品です。
- 平日限定。年末年始(12/30〜1/3)、GW(4/28〜5/5)、お盆(8/13〜8/15)、祝前日は使えない
- 部屋は和室または和洋室8〜10畳(禁煙)で、部屋の指定はできない
- 使用期限は発送日から1年間。予約の際にチケットを使うと必ず伝え、予約状況で受けられない日もあるので事前に電話で確認
5. 旅籠しび荘(紫尾温泉)— さつま町の温泉宿泊補助券
鹿児島県さつま町、750年の歴史があるとされる紫尾温泉の宿です。公式サイトによると敷地内に2本の自噴泉を持ち、鹿児島市内から車で約80分。私たちは2025年6月にレンタカーで訪ね、「2食付スタンダード」のおまかせ和室に泊まりました。夕食は里山の料理にボタン鍋という構成で、地元のクラフトビールも置いてあります。運転を終えて宿に落ち着いてからの一杯にどうぞ。




使える返礼品 — さつま町 温泉宿泊補助券(紫尾温泉・宮之城温泉)
さつま町観光特産品協会が発行する補助券で、5,000円相当1枚(寄付1万9,000円)から5万円相当10枚(寄付18万3,500円)まで選べます。返礼品ページの「使用できる宿泊施設」10軒のなかに「旅籠しび荘(さつま町紫尾2168)」が明記されています。
6. 休暇村指宿 — 指宿市の楽天トラベルクーポン
錦江湾を望む指宿の休暇村です。私たちは2025年12月にレンタカーで訪ね、海側の部屋に泊まりました。夕食は会席にハーフビュッフェが付く形式で、朝食はビュッフェ。公式サイトによると砂むし温泉「癒砂」、大浴場「知林の湯」、貸切の半露天風呂「癒湯」があります。私たちは砂むし温泉に入らずに帰ってしまい、これは今も後悔しているので、泊まるなら時間を取って入ることをおすすめします。




使える返礼品 — 鹿児島県指宿市の対象施設で使える楽天トラベルクーポン
寄付1万円で3,000円分のクーポンから、寄付100万円まで金額を選べます。返礼品ページのクーポン対象宿の一覧(2023年6月2日現在)に「指宿温泉 休暇村 指宿」が入っています。紙の券ではなく、楽天トラベルで対象施設を予約するときにクーポンを選んで使う仕組みで、予約経路は楽天トラベルに限られます。
申し込む前に確認したいこと
- 対象施設の一覧は変わる。この記事の確認日は2026年9月6日です。補助券の一覧に宿名があるかを、寄付の直前にもう一度見てください
- 現地決済で予約する。黒川・由布市・別府市の補助券は事前決済の予約には使えません。予約サイトで予約するなら支払い方法を現地決済にし、備考欄か電話で券を使うと伝えます
- おつりは出ない。券面額を少し下回る宿泊代のときは損をするので、券面額が宿泊代を超えない組み合わせにします
- 有効期限。由布市は2年、黒川・別府・人吉旅館は1年です。年末に寄付してから旅の予定を立てるなら、期限の長い券のほうが計画しやすいです
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